流し掛けbaroque

流し掛けで意匠された18世紀の琉球湧田焼です。
比較的早い時期から製作されていた琉球の流し掛け作品は民芸運動の濱田庄司にも大きな影響を与えていたと考えられます。
濱田は益子の地で大胆に豪快に流し掛けされた作品を多く製作して民芸調の代表的な作風に昇華させる一方、現代的な作品としても評価された功績は大きいものが有ります。
流し掛けの技法は幕末明治の地方民窯に多く見られる手法ですが、元来簡単な方法の意匠である為、安易に多用され気の抜けた作品が多いのも現実です。
気合十分一気呵成に熟練の技術で流し掛けてこその作風ですが、これを見事にやってのけたのが濱田庄司と言えるのではないでしょうか。
写真の琉球湧田焼流し掛け作品は、いささか気合が入りすぎてバロックでアバンギャルドな作風に。
失敗作にも見えますが、有りそうで無い迫力の逸品に仕上がっています。













   2023-12ー3